TopPage 推拿とは 辛 悦 プロフィール 辛悦式とは 臨床 レポート1 臨床 レポート2 動画集 Contact
  治らない? 治せない? 本当にそうでしょうか? あきらめる前に読んでください。 
 
 推拿の歴史
中国伝統医学、いわゆる中医学に分類されるものとは、鍼灸、湯液(漢方薬)、推拿、気功、薬膳である。そのうち中国三大医療と呼ばれるものが、鍼灸、湯液、推拿である。推拿とは“すいな”と読む。日本ではあまり聞きなれない言葉だが、現代中国では大学病院などで正当な医療として行われる手技療法である。
中国において推拿を学ぶためには中医薬大学(医学部)に入学なければならない。西洋医学、中医学の両方をきちんと学んだ上、臨床経験を積んで初めて中国推拿医師と名乗れるのである。中国においては本来、医師資格を持つものが行う手技療法である。中医学が4千年の歴史をもつことは広く知られることであるが、前漢時代(BC202〜AC8)に記された有名な現存する中医学最古の医学書『黄帝内経』には、その名は記載されていない。古くは“按摩”とか“按喬”とか“喬摩”とか呼ばれていた。按摩とは日本では“按摩・指圧師・マッサージ師”という国家資格となっている。それでは推拿と按摩は同じものであるかというとそうではない。日本に中医学が伝わったのは隋(AC581〜)・唐(AC618〜906)時代であり、以降日本における正統な医学として根付いていった。しかしながら日本に渡った中医学は日本独自に発展をとげ、、現在では東洋医学と呼ばれる中医学とは少し異なるものである。按摩と推拿もまた、似て非なるものである。
中国において按摩から推拿へと呼び方が変わったのは明時代(AC1368〜1615)とされる。この時代の医学書『小児推拿秘旨』が最初であるとされる。明王朝初期では、皇帝専属の医院の13科の一つとして按摩科をあげていた。しかし、明王朝は皇帝専属医院の一つとして存在していた按摩科を封建的で古臭いという理由でその名を消してしまう。ちょうどその頃、中国南部では小児推拿が盛んとなっていた。それに大きく影響され、明王朝は按摩に代わって推拿という呼称を用いるようになった。

清時代(AC1644〜1911)に入ると、皇帝専属の医院の科は9科に削減される。この時、推拿科は設置されなかった。再び推拿の発展は妨げられることとなった。だが、その一方では推拿と正骨を融合させた“正骨八法”や小児推拿が流行し、主に中国南部で推拿は広まっていった。“正骨八法”とは、摸法といわれる診断法、“接、端、提”の骨折や脱臼に対するいわゆる接骨法・整復法、“按、摩、推、拿”の軟部組織損傷に対する治療手法のことである。清王朝における推拿科の設置はされていなかったものの、清王朝専属医院の医学教科書として正骨八法について記された『医宗金鑑』という骨傷医学書が用いられたり、民間療法として小児推拿が大きく発展した時代でもある。小児推拿についての著書が多く世間に出まわったが、推拿を学ぶに当たっては易学など占い的な要素も重要であるという内容のものもあった。それゆえに、推拿学科は清王朝専属医院から取り消された。王朝では発展しなかったものの、民間では各種の推拿隆はが生まれ形成され、推拿の学術交流が盛んとなった。
結局、低俗なものとして清政府は推拿を重要視しなかったが、民間において地方で推拿は発展していき、それぞれ各地方の独特の特徴を持った流派が誕生した。一指禅推拿流派、滾法推拿流派、内功推拿流派、臓腑推拿流派などである。
漢字は一つ一つ意味を持つものであるが、按摩、推拿もそれぞれの代表的な手技を表している。“按”とは垂直に押すことであり、“摩”は円を描くようになでることである。“推”とは一方向へ真っ直ぐ推し動かすことであり、“拿”とはつかむことである。古くは按摩と呼ばれていたものが、推拿と名を変え、現在に至るには多くの人体上での臨床経験に基づき研究され改良された背景がある。中国において推拿は、按摩を飛躍的に発展させたものといってよい。

中華人民共和国となってからは、中医学はこれまでにないほど重要視されるようになり、国を挙げて中医学を保護し援助する政策が打ち出された。このことにより推拿の発展にも力が注がれた。推拿の易しく、便利で、効果が高く、高潔であるという特長は、治療効果の高さを示すのに十分なものであったからである。推拿医療を行える人材を育成する学校を設立したり、推拿科や鍼灸科のある病院を設立するなど政府は中医学の発展に力を入れた。はじめの頃は、高学歴でなくとも推拿学べ、短期間で修了できる学校が設立された。師が弟子をとるようなスタイルの学校であった。しかしながら、推拿が医療行為として病院で行われることが定着するにつれ、西洋医学の医師と同じように高い水準の教育が求められるようになっていった。推拿を学ぶことは、西洋医学の医師と同じように高い水準の教育が求められるようになっていった。推拿を学ぶことは、正規の大学教育として行われるようになり修士課程や博士課程も設立されるようになった。現在では、中医薬大学(医学部)に入学し西洋医学、中医学の両方を学び、臨床経験を積んで初めて本当の推拿医師と認められるものである。
現代中国の病院では、整形外科や内科があるように鍼灸科や推拿科が存在する。また中医師と呼ばれる医師が、中医学独特の四診を行って漢方薬を処方する。鍼灸、推拿、漢方は正当な医療として中国の人々の健康を支えている。日本の方々が思っている以上に、中医学は高い治療効果をあげている。


 
 PageTop SideMenu

  推拿の作用(西洋医学編)
推拿の研究は進んできており、推拿が人体にもたらす作用は科学と臨床の両面から次々と立証されている。その作用とは以下の通りである。

1)鎮痛作用がある
神経伝達物質と鎮痛物質、痛みの神経経路、脊髄上部の中枢神経、脳へ働きかけることで鎮痛作用を発揮する。


2)中枢神経調節作用がある
中枢神経を興奮させたり抑制させることができるため、脳のα波を増強させるなどリラックス効果をもたらす。その結果、感情的な苦痛を軽減し、情緒を安定させ楽しい気分にさせる等の心理治療の効果をそなえている。

3)傷害された神経組織を修復する
支配神経の仕組みと代謝を改善させ、神経の再生と修復を促進する。

4)心臓・血管の機能を改善する
血管を拡張させ、血液循環を増強させ、心筋への酸素の供給を改善し、心臓機能を強化する。その結果、体温、脈拍、血圧を調節することができる。血管壁に付着している脂肪類を消費させ取り除くことができ、血管の硬化を防ぎ、血管壁の弾力を回復させ血管の透過性を改善させ、末梢の血流を一定に保つことができる。血管壁の弾力を回復させるため血圧降下作用がある。心臓の左心室の収縮力を増加させ、拡張期を長くすることができ、冠状動脈への血流を増加させ虚血性心疾患の症状を和らげる。

5)血液・リンパ液の循環を改善する
推拿手法の刺激を血管壁に到達させることで、血管壁の律動とポンプ作用を回復させることができ血流を改善させる。リンパ液の流動性も高めることができ、推拿の施術前に比べ施術後は、リンパ液の流動に約7倍の増加がみられる。

6)血液の粘稠度・成分に影響を与える
極度に血流が悪い状態では、血液の流動性が低下し新陳代謝は減弱し、血液は粘稠度を増す。推拿手法は血液の流動性を高め、結果として血液の粘稠度を低める。推拿の施術後では、白血球の総数が増加する。なかでもリンパ球の比率が高くなり、好中球の比率が減少し、補体の量を増加させるので免疫調整作用がある。好中球の数の減少は、消炎作用を表す。さらに赤血球の総数にも増加が見られる。また、血中のコレステロール値とLDLコレステロールの作用の低下が認められる。

7)呼吸器の機能を改善させる
胸部への推拿を行うと、肺活量が平均で約256ml増加する。また、酸素の供給量が10〜15%増加し、二酸化炭素の排出量が明らかに増える。

8)消化器系の機能を調節する
自律神経を調えることで胃腸の蠕動運動と消化液の分泌を増強させることができる。その結果、便秘や下痢に改善させる。推拿の手法は消化管の平滑筋の張力、弾力、収縮力を改善させるので、胃下垂の治療にも用いられる。バリウム検査によると、中軽度の胃下垂患者の大部分は正常に回復したことが明らかになっている。推拿手法は胆嚢へも働きかけ、胆道平滑筋の痙攣を抑え、胆嚢収縮時の痛みを緩解する。さらに胆石の形成を減少させることも分かっている。

9)泌尿器の機能を改善させる
膀胱壁の伸展センサーの許容量を増加させ、膀胱括約筋を支配する自律神経に働きかけ。膀胱の許容量を高める。尿失禁や泌尿器感染症を増加する。

10)免疫系を調整する
推拿手法を行った後の血液中の白血球の総数は増加し、貪食能力は高まる。血清免疫グロブリンであるIgG、IgM、IgA、及び補体C3に対する調節作用があり、上昇しているものは低下させ、低下しているものは上昇させ、血清中の補体の作用を高め、Tリンパ球を増加させて、体液と細胞の免疫機能を発揮させる。

11)内分泌系へ作用する
軽くリズミカルな推拿手法を行うと、インシュリンの分泌の促進がみられる。また、血中のカルシウム濃度の是正がみられる。

12)骨格筋の代謝を促進する
筋線維の収縮伸展運動を促進させ、血液、リンパ液の循環を改善することにより、疲労物質をとりのぞき充分な酸素と栄養を供給させる。筋肉の張力、弾力、耐久力を改善させる。

13)損傷した軟組織の修復を促進する
臨床上、筋肉、腱、靭帯の断裂に理筋推拿がよく用いられる。ウサギのアキレス腱を切断した後、縫合し2週間推拿治療を行うという実験によると、アキレス腱の修復は明らかに促進され、さらに膠原繊維の配列と密度が正常な腱になることが知られている。推拿治療は断裂した組織を正常化しもとに戻る手助けをする。

14)癒着した軟組織を分離し、解きほぐす
関節を動かす推拿手法は、関節の癒着を解きほぐす作用がある。筋膜や滑液包の癒着を分離させ、腱や靭帯の弾性と引く力を回復させ、運動障害がある関節の可動域を改善することができる。

15)関節を正常な解剖位置に戻す
急性損傷によって関節がずれた場合、通常、筋や軟組織の損傷が見られる。推拿手法の中には整復手法が存在する。各種の整復手法をもちいて関節や腱をそれぞれ正しい位置に戻せば、組織のつっぱりや、ねじれ、圧迫や刺激が解除され、腫脹や疼痛を消失させ機能障害を解除させることができる。

16)筋の痙攣を解除する
推拿手法は局部の循環を良くすることで組織の温度を上昇させ、発痛物質の含有量を下降させる。また、手法による適度な刺激は。ゲートコントロールセオリーにみられる通り疼痛閾値を高める。さらに緊張、あるいは痙攣している筋肉を手法を通して伸ばすことにより、緊張や痙攣を直接解除することができる。

17)発炎物質の分解と希釈を促進する
推拿は血液とリンパ液の流れを良くし、代謝産物の運行を良くし、発炎物質の分解と希釈を促進させることで、損傷による局部の炎症を取り除く。

18)水腫、血腫の吸収を促進する
静脈やリンパの求心性の循環を良くし、局部の腫脹を軽減し、組織間の圧力を低下させ、末梢神経への刺激を取り除き、疼痛を消し去る。さらに水腫や血腫を吸収させる。

19)皮膚組織の新陳代謝を改善させる
推拿手法は老化した上皮細胞を取り除き、皮膚の栄養と呼吸を改善し、汗腺と皮脂腺の分泌を良くし、皮膚の弾力と組織への酸素の供給量を高める。皮下脂肪の消耗と筋肉の運動を促進させ、皮膚組織の新陳代謝を改善し、皮膚を潤沢にする。

20)皮膚と皮下組織の温度を上昇させる
推拿手法は、毛細血管を拡張させると同時に血流量を増やすことで、局部の皮膚温を上昇させる作用がある。皮膚温が上昇さすれば血流量が増し、血流量が増せば皮膚温が上がる。手法の機械的な刺激は局部の軟組織を温めて代謝を促進することが研究の結果あきらかになっている。

PageTop  SideMenu 

  推拿の作用(中医学編)
推拿は前述の通り、中医学に分類される。西洋医学と中医学は、考え方や性格が違うもののいずれも優れた医学であり、推拿の効果はその両方の立場から立証されている。

1)疎通経絡・・・経絡を疎通させる
中医学で言う経絡とは気血津液の通り道であり、経絡が滞ると人の健康状態は悪化すると考えられている。経絡は内部では臓腑に、外部では人体組織器官、四肢百骸にいたるまで全身をめぐる。経絡は臓腑、期間など全身各部の機能を調整している。推拿手法は。経穴(ツボ)に直接刺激を与えたり、経絡に働きかけることができるため、経絡を疎通させる。

2)行気活血・・・気血の運行を良くする
推拿手法は機械的な刺激や、温熱刺激により、体表の特定部位や経穴を刺激することにより経気を高め、局部の気血の運行をよくする。また、経絡を調節することにより心肺など臓腑の機能を調え、全身の気血の運行をよくする作用がある。

3)舒筋緩急・・・筋肉を弛める
中医学でいる“筋”とは、筋腱、筋膜、腱鞘、靭帯、関節包、椎間板、関節軟骨など広範囲の軟組織をいう。筋の損傷による変化には“筋強、筋柔、筋歪、筋断、筋走、筋粗、筋翻、筋寒、筋熱、ならびに表裏の虚実、患部の新旧などがあり、どれも同じではないが、いずれにせよ手でよく触るべきであると中医学古典医学書『医宗金鑑・正骨心法要旨』に記載がある。推拿手法には舒筋緩急(筋をゆっくりと弛める)作用があることはあきらかで、古来より筋の損傷にはよく用いられてきた。

4)調利骨節・・・関節を正しい位置に動かす
『引書』『唐六典』『千金要方』『医学挙隅』『医宗金鑑』など、多くの医学書に推拿が脱臼や関節のずれ、及び関節機能障害がある場合、関節を正しい位置に動かす作用を持つことが記載されている。

5)補腎益気・・・腎気を補う
中医学において胃は先天の正を蔵す。また、後天の精の余剰物を蔵す。すなわち元気を蔵す。腰は腎の府である。推拿は腎を補う。推拿治療では骨や筋は勿論、経絡や経穴に直接刺激を与える。

6)調理胃腸・・・胃腸の機能を調える
胃腸を保護することも推拿治療の特長である。腹部に直接触れて施術を行ったり、背部兪穴に対して推拿を行うことで、胃腸の機能を調える。このことは『千金要方』、『厘正按摩要術』、『石室秘録』、『肘后救卒方』など多くの古典医学書に記載されている。

7)宣肺化痰・・・痰を排出させる
推拿は肺の病症の治療に独特な効果があり、痰を取り除き排出させるようにする作用がある。手法により上背部に物理的が刺激を与えることができるうえに、肺に直接作用する経穴を刺激することができるからである。

8)美容美顔・・・身体の内外の働きかける美容美顔効果がある
漢時代の書物『引書』に顔面部への施術法についてすでに記載があるように、推拿は多様な面を持っており顔面部の美容にも効果がある。手法により直接顔面部に施術を行うことで顔面の血流を改善させることができるため美顔効果を発揮する。さらに面部の五官と五臓の関係は深く、顔面部と全身の両方を調整することでよりいっそうの美容美顔効果をあげることができる。


9)養生保健・・・身体を強くし、健康を保つ
推拿は副作用が極めてすくない外治療法の一種であり、その上身体を強くし健康を保ち、病気を防ぐ効果が非常に高い。『金匱要略』に、按摩は疾病を予防する療法であると、すでに記載されている。その他、養生保健作用については多くの医学書に記載がある。

10)以指代針・・・指を以って、針の代わりとする
推拿は鍼灸と同じ中医外治法である。手指で経穴を点圧して刺激する。これを指針或いは、点穴といい、鍼灸と同じような作用をすることができる。『按摩十法』には、推拿における鍼灸の理論と方法の記載があり、“指針は按摩術である。その実、按摩の諸術は鍼の補瀉の二つの理論だけではない。人は必ず経絡、臓腑、気血の往来の順逆道を深く知る。そして、手で気を運び、指をもって鍼の代わりとし、経絡の塞がっているものは開き、集まっているものは散らし、余分なものは減らし、足りないものは補う。しかも、按摩と鍼を同時に行っても負担にならない。金属の鍼は即効性があるが効果は短時間であり、按摩はゆっくりと効き、効果が長く続く。”とある。実際のところ、現在の推拿は安全性だけでなく即効性にも優れており、しかも効果が持続するのが特長である。

11)推拿代薬・・・推拿は、薬の代わりである
清時代の『幼科鉄鏡』に“推拿は薬の代わりである”とあるように、推拿の手法は漢方薬と同じような作用も持つ。

PageTop  SideMenu

    
   Copyright(C)2012 辛悦式推拿・整骨法 All Rights Reserved